「高画質」とは?ここまでのレベルが本当に必要?前編
今回は、いつものレビューではありません。
前回のレビューの中で触れました、画質についてのお話をさせて頂きたいと思います。
…あ、ちなみに前回レビューした作品は、早くも出品者さんが削除されました。
多分、僕のレビューのせいもあるんでしょう。特にご迷惑をおかけする気はないのですが…(苦笑)。
さて、僕はこれまでも何度も書いてきましたが、「高画質」ということにそれほど拘りはありません。
とりあえず利用(笑)可能な画質であれば、全然問題ないと思っています。
それは、古い年代の撮影作品が多いせいもあるとは言え、画質はそれほど良くはないkozisanさんが、
当ブログご用達出品者の1人であることからも、お分かり頂けると思います。

↑kozisanさんの最新レビュー作品。こちらもkozisanさん画質ですが、かなりの高評価です
(レビューに飛びます)
ただ、最近出品される作品は「高画質」を謳っている、またそれをウリの1つにしている作品が多いです。
なのに、実際に作品を見てみると「えっ、そんなに高画質かな?」と思うものも、正直多いのが現状です。
もちろん僕の感覚の問題とか、僕のPC&モニタが少し古いスペックである等も理由の1つでしょう。
でも、レビューを続けていく中であまりにも「?」と感じる作品が増えたため、画質について自分なりに
いろいろ調べてみた結果、「僕が疑問に思うのも、あながち間違ってないかも」と思うようになりました。

↑早速削除された、前回レビュー作品。さすがにまだレビューを読まれてない方も多いかと思いますので、
参考にキャッシュから拾った「商品説明文でのサンプル画像」を追加しました(レビューに飛びます)
※2018/3/23追記 上のリンクの作品は、2018/3/16に最高画質版が再出品されました
ということで今回は、僕が画質にあまり拘らない云々はひとまず置いておいて、「高画質とは?」を、
僕なりの観点から述べさせて頂きます。ただ、僕があまり知識がないので、基本的なところは大丈夫だと
思うものの、話の中には間違っている点も出てくるかも知れません。ですので、あくまで「僕はこう考える」と
いうくらいの視点で、読んで頂ければ幸いです。また、間違いに関してはご指摘頂ければ、大変助かります。

↑こちら、最近レビューした中でダントツに「画質がいい」と思った作品です。内容的にも高評価でしたね
(レビューに飛びます)
※追記 リンク先の作品は、現在出品者さんが販売を中止or終了しているようです
①画面解像度
②ビットレート
③フレームレート
それでは、まずこの3つがそれぞれどういうものか、簡単に見ていきたいと思います。

↑今回の説明画像には、kozisanさんのこの作品のハイキックシーンを使用させて頂きました
(レビューに飛びます)
①画面解像度
PCの画面は、縦横に細かい正方形がいくつも並んでいて、それら1つ1つで描画して表示しています。
そして、この1つの正方形のマスを「ピクセル」と呼びます。下の画像でイメージとして表していますが、
この画面も細かい「ピクセル」がいくつも並んで1つの画像を描画しています。
※下の画像はあくまでイメージです。実際のピクセルは、もっと細かいのでご注意を。

↑このピクセルのことを「画素」とも言います
で、1つの映像(画像)をどれだけのピクセルで描画するかの数値が、画面解像度になります。
主な画面解像度をいくつか上げてみますと
・480p → 720×480(DVDと同等)
・720p → 1280×720(ハイビジョン、 HD)
・1080p → 1920×1080(フルハイビジョン、 フルHD)
・2160p → 3840×2160(4K)
で、例えば「HD画質」ですと『横に1280個、縦に720個あるピクセル』で描画、一方「フルHD画質」になると
『横1920個、縦1080個』となり、当然ピクセルの数が多い方が細かな部分までキレイに表示出来ます。
ただ、当然ですが画面解像度を良くすればするほど、動画ファイルの容量は大きくなります。

↑こちらの作品もそうですが、最近はフルHDを謳う作品も増えてきました(レビューに飛びます)
②ビットレート
ひと言で表すと、動画1秒間に含まれている情報量といった感じで、当然数値が大きい程、情報量も
大きいことになります。そして、「映像」と「音声」それぞれにビットレートがあり、その合計が「動画」の
ビットレートになります。なので、動画全体のビットレートは高いけど、音声に割り当てられたビットレートが
極端に低い場合、「高画質だけど音声はクソ(笑)」という動画になります(※1)。基本的にビットレートが
高いほど、画質も音質も良くなります(※2)が、当然動画ファイルの容量は大きくなります。
※1 音声は元々ファイルのサイズが小さいので、音声ビットレートを上げても、全体のビットレートにも
動画ファイルの容量にも、それほど大きくは影響しません。
※2 同じビットレートでも、使用するコーデック(動画ファイルの圧縮方法)によって、全然画質や音質が
変わります。ただ、コーデックの話まで触れるとさらに長くなるので、今回は省きます。

↑ビットレート等の影響でファイルサイズが大きくなると、こちらの作品のようにいくつかに分けるか、
外部アップローダにファイルを置く等、出品者さんによって対応が違いますね(レビューに飛びます)
③フレームレート
少しずつ違う画を何枚も書いて、それを素早くめくっていくことで画が動いているように見える、いわゆる
「パラパラ漫画」がありますよね。動画も理屈は同じで、少しずつ違う画像を次々に描画していって、
動いているように見せているんです。1秒間にパラパラめくる画像の枚数がフレームレートです。
そして、その1枚1枚の画を「フレーム」と呼びます。フレームレートが高いほど、動画が滑らかになります。
一般的には、多くの動画が30fps(1秒当たり30フレーム)に設定されていると思います。

↑動画投稿サイトの動画も、多くが30fpsだと思います(動画特集記事に飛びます)
ここで大事なのは、あくまで「動きが滑らかに見えるかどうか」です。動画1秒間に含まれる情報量は
上で述べたビットレートで決められています。そこでフレームレートを上げると、1秒間の枚数が増えるので、
1枚1枚に割り当てられるデータ量が減り、画質は下がります。もちろん、動きのある部分と
無い部分とで割り当てるビットレートを変えて編集する「可変ビットレート(VBR)」という方式もあるものの、
基本的には「フレームレートを上げると、動きは滑らかになるけど、画質は下がる」ことになります。

↑1秒間に扱うフレームが倍になると、1枚のフレームに割り当てられる情報量は半分になります
(上はイメージ画像なので、2枚の方も画質は落ちていません)
さらに。フレームレートを語る際に、「プログレッシブ」と「インターレース」の違いについても、少し触れないと
いけないと思います。この2つは「1枚1枚のフレームの描画の仕方」が違うんです。もう少し詳しく見ます。
(1)プログレッシブ(通常、「p」と表記されます)
1フレームを上から順に1段ずつ、左から右へと描画していく方式(順次走査)。

↑左上から、1段ずつ順番に描画していきます
(2)インターレース(通常、「i」と表記されます)
1フレームを「奇数フィールド」と「偶数フィールド」に分けて、1段とばしで描画していく方式(飛び越し走査)。


↑奇数フィールドと偶数フィールドで、それぞれが交互に1段飛ばしで描画しています
で、「1フレーム」を2つのフィールドに分けるといっても、全く同じ画像(フレーム)を2分割しているのではなく、
少しずれた(時間が進んだ)画像を分割しています。なので、インターレースの動画をコマ送りしたり、
静止画にしようとすると、動画の動きが早い(大きい)箇所では、1コマ(つまり1フレーム)はブレてしまいます。
これは少しずれた2つのフィールドを合わせて1フレームにしているためで、どうしても起きてしまいます。
この辺り、前回のレビューでも「避けられない」云々という話を少しさせて頂いたのは、こういう理由です。



↑上の画像の2つのフィールドは少し時間がずれており、その2つを合成して1フレーム(コマ)を作るので、
特に動きのあるシーンでは下の画像のように、フレームに合成した際どうしてもブレが出ます
(無理やり作った画像なので、実際のイメージとは多少違います)
さらに、1段ずつ飛んで描画するということは、1つのフィールド自体は縦方向の解像度が半分になります。
どういうことかと言うと、例えばフルHDの「1920×1080」だったとして、1つのフィールドは1段飛ばしで描画
していくので、縦方向は1080の半分しか描画されません。つまり「1920×540」という解像度です。
これで分かるように、プログレッシブに比べてインターレースは、画質が下がります。

↑上のイメージ図のように、1段飛ばしのため縦方向は半分しか描画していません
では、何故こんな「インターレース」という方式をわざわざ使うのか、と言いますと「動きの滑らかさ」を
出すためです。下にイメージを表してみましたが、両方とも同じ「30fps」でも、上の「プログレッシブ」だと
1フレームごとの動きが大きく、動画にするとカクカクした動きに見えます。ところが「インターレース」だと、
1フレーム内で2つのフィールドがあるため、動きが滑らかに見えるのです。ちなみに、それぞれ表記すると
プログレッシブの場合は1フレームごとに描画するので、30fpsということは「30p」になります。
一方インターレースだと、1フレーム内に2フィールド描画するので、30fpsだと30×2=「60i」になります。
これを言い換えると、60iはデータ量的には30pと同じくらいなのに、動きの滑らかさは30pの2倍、
つまり「60p」と同じくらいの滑らかさになる、ということです。これも、あくまで「滑らかさ」が上がります。

↑この動画のフレームレートが「30fps」とした場合、イメージ的には上のような形になります。
擬似的な形ではありますが、インターレースの方が1フレームで2つ描画する分、滑らかな動きになります
さて、3つの言葉を見てきたところで、いよいよ本題へ…、と言いたいところですが。
必要以上に僕が気合を入れてしまったため(笑)、あまりに長くなりました。ですので、申し訳ないですが、
残りは次回にお話させて頂きます。2回続けてレビューでは無い形になってしまいますが、
何卒ご了承のほど、よろしくお願いします。
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